心霊現象に取り憑かれたドイル | かやくりひblog

心霊現象に取り憑かれたドイル

When you have eliminated the impossible, whatever remains, however improbable, must be the truth.
「不可能を除去して残ったどんなものでも、たとえありえないことと思えても、それが真実にちがいない」

これはシャーロック=ホームズの有名な言葉で、「名探偵コナン」で工藤新一が好んで引用します。違った訳し方をしているかもしれませんが。

こうした科学的な態度を貫いたホームズの産みの親、コナン=ドイルが、なぜ晩年、心霊現象に取り憑かれたのか、昔は不思議でしかたなかったものです。

でも考えてみれば、この言葉にはドイルを心霊現象に導く伏線が張られていることに気が付きました。

つまりimpossibleとimprobableに厳密な違いがあるのか、この言葉に検証の跡は見られません。

最初に除去してしまったimposssibleの中に、実は不可能ではなかったことが含まれていれば、残されたimprobableが本当にありえないことだ、ということもありうるわけで、ドイルは不可能でなかったことを「不可能」として除去してしまい、残されたものは心霊現象としてしか説明できないと思ってしまったのではないか、と思います。

「不可能」として除去しようとしている現象が、本当に不可能なことなのか、もう一度考え直すことが大切なのでしょう。困難が伴う場合もあると思います。